がんペプチドワクチン

ペプチドワクチンは、抗原ペプチドを接種することにより、患者自身の細胞傷害性T細胞(CTL)(※1)を活性化することを目的とした免疫療法の一つです。がんは目印となる抗原ペプチドをHLA分子(※2)によって細胞表面に提示しています。ペプチドワクチンによって、このがんの目印を認識するように教育され増殖したCTLは、がん細胞を見つけて殺傷します。

CTLのがん細胞に対する傷害

CTLは、がん抗原ペプチドを認識すると、細胞傷害顆粒の放出や、Fasリガンドの結合によるシグナル伝達によって、がん細胞のDNAを分解し細胞死を引き起こします。

[用語解説]

(※1)細胞傷害性T細胞(CTL)

キラーT細胞とも呼ばれ、がん細胞やウイルス感染細胞などを認識して殺傷するリンパ球です。

(※2)HLA分子

細胞内の自己や非自己(がんやウイルス由来)のタンパク質断片(ペプチド)を細胞表面に提示する分子です。HLA分子によって提示されたペプチドをT細胞が認識することによって、様々な免疫反応が起こります。HLA分子は国や民族によって異なる遺伝子多型を示し、日本人の約6割はHLA-A*24:02型を持っています。

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